乗船レポート:黒海の水はなぜ黒いのか?(1)
クリスタル・セレニティ 黒海クルーズ14日間 ~前編~
2011年9月7日~9月20日
今回のレポートは、黒海クルーズです。
イタリアのベニスを出港し、アドリア海からエーゲ海、ダーダネルス海峡から、マルマラ海に入り、ボスポラス海峡を通過して、黒海に抜けるという海の好きなクルーズ・ファンには、たまらない航路です。陸上から行くと1回のツアーでは難しいようなイタリア、ギリシャ、ルーマニア、ウクライナ、トルコ5カ国を巡るルートも廻れてしまうのが、クルーズならではです。
海運国として栄華を極めたベニス、オリンピアではギリシャ神話の世界に引き込まれ、オデッサでは、ロシア革命の発端にもなったと言われ、映画の舞台にもなった「ポチョムキンの階段」を見下ろし、ヤルタでは日本も含めた第二次大戦後の世界の運命を決めたヤルタ会談の舞台、「リバーディア宮殿」で歴史を感じ、「トプカプ宮殿」ではオスマントルコの栄華に思いを馳せる。教科書や歴史書、映画の世界で登場した場所が、次々に登場する黒海は、まさに世界史を訪ねる旅でした。
ヨーロッパの人気航路、地中海やバルト海にも劣らない魅力の黒海クルーズは、おすすめです。
レポート by 船上コンダクター
9月8日(木) 名物にうまいものあり @ベニス
最近ではジョニーデップとアンジェリーナ・ジョリーが競演した映画「ツーリスト」に登場し、これまでも様々な映画の舞台となったベニス。サンマルコ広場は人で溢れ、さすがここが世界の観光地だと実感してしまいます。見どころも多いこの街ですが、お客様も何度か訪問されている方も多かったので、観光はせずに、街のそぞろ歩きとランチをとることになりました。
ベニスの名物と言えば、アドリア海で取れた魚貝類、特にイカ墨のスパゲティが有名です。今回はリアルト橋からも程近い下町のトラットリア「マドンナ」でクモガ二のサラダ、イカ墨のスパゲティなどを頂きました。じっくりと煮込まれたイカ墨のコクのあるソースがアルデンテの麺に絡み、定番ですが、期待を裏切らない味でした。食べた後には、お約束のお歯黒状態もご愛嬌です。
9月10日(土) 神々の聖地でフライング? @オリンピア
ギリシャ、ペロポネソス半島の小さな港、カタコロンから約45分、訪れたのは”オリンピック”の語源となったオリンピア。古代オリンピックが行われた場所には、かつては、闘技場や今でいうオリンピック村のような宿泊施設、IOCのような施設、ゼウスに捧げられた神殿などがありましたが、長い年月の間の地震や風化により、遺跡として、わずかに残る遺構や倒れたままの円柱を見ながら、往時の繁栄ぶりを想像するしかありません。ニュースで度々、目に触れるオリンピックの聖火が灯されるのはヘラの神殿前ですが、ここオリンピアのハイライトは長さ192mのトラックのあるスタジアム。紀元前4世紀に作られ、約2万人の観客を収容し、短距離走や槍投げ、円盤投げなどの競技が行われていました。今も残るスタートラインには、観光客がこぞってスタートのポーズをとって、記念撮影をしていました。2004年のアテネ・オリンピックの時には、この古代オリンピックのメイン会場であったこのスタジアムにて、砲丸投げの競技が実際に行われました。
9月11日(日) コリントス運河は今や @ナフプリオンから
ナフプリオンはかつては海洋国家ベネチアに支配され、その時代に造られた要塞も残っており、
旧市街には、中世の建築物も見ることができます。![]()
ここからは、郊外に足を伸ばし、コリントス運河とミケーネ遺跡を観光しました。コリントス湾とエーゲ海を結ぶために作られた、幅わずか23mのコリントス運河では、橋の上から、運河を眺めます。「これだけ?」とあっさり観光を終えて、バスで再び橋を渡り、運河を見下ろした時に、丁度、運河の入り口付近に、運河を航行する船が入ってきました。最近では、この運河を利用する船も減ったため、もし船が航行しているコリントス運河が見れたら、まさに、”うんが” いいですね。
ミケーネ遺跡は、紀元前16~12世紀のミケーネ文明が繁栄した頃の王宮跡や王族の墓などが発見された遺跡です。ドイツの考古学者、シュリーマンが、トロイア戦争にも登場するアガメムノン王の黄金のマスクを発見した場所でもありますが、残念ながら、このマスクはもっと古い時代のものであることが立証されています。しかし、トロイでもミケーネでもギリシャ神話の世界が実存することを示そうとした彼の情熱や執念には敬服です。
9月12日(月) 海峡クルージングも見どころ @ボスポラス
クルーズは、終日航海日を迎え、朝8時半頃から、エーゲ海からダーダネルス海峡を通過し、”トルコの瀬戸内海”(とイスタンブールのガイドさんが言っていました)マルマラ海に抜け、夕方5時ごろに、ボスポラス海峡に入っていきました。全く洋上を航海する日と違い、狭い海峡を通過し、島や陸地の風景を見ながら再び、大海へ出るという、黒海クルーズのハイライトでもあります。
多くの乗客が風景を見るためにデッキに出ていて、キャプテンによる説明が船内放送で流れていました。船はアジア側とヨーロッパ側を分け入るように進み、イスタンブールの街が近づくと、モスクのミナレットとドームやガラタの塔などの姿も見えて、いっそうエキゾチックな雰囲気を感じます。ヨーロッパ人たちが、オリエント急行に乗って、この終着地に着いた時にも同じような感覚だったことでしょう。船はボスポラス大橋を通過し、一旦、イスタンブールを後にして、一路、黒海へと向かいます。
2011年10月 6日 15:17 | カテゴリー: 乗船レポート





